このページでは、リピータ・ブリッジ・ルータ・ゲートウェイの違い、RIPとOSPF、STP、VRRP、L3スイッチ、SDN、VLANなどの関連技術がわかります。
- 一言で言うと:
- ネットワークどうしをつなぐ装置を、どの層で動くか(=何を見て中継するか)で整理する話
- 後半は、スイッチで物理的な配線に関係なく、論理的なグループ(VLAN)を作る話
物理層(リピータ)→ データリンク層(ブリッジ、スイッチングハブ)→ ネットワーク層(ルータ、L3スイッチ)→ トランスポート層以上(ゲートウェイ、L4・L7スイッチ)→ ネットワーク仮想化(SDN、NFV)→ 論理的にグループ分け(VLAN)
覚え方の軸
- 装置は「何を見て中継するか」で層が決まる
- リピータ(ハブ)は、電気信号を増幅・整流するだけ(物理層)
- ブリッジ・スイッチングハブ(L2スイッチ)は、MACアドレスを見る(データリンク層)
- ルータ・L3スイッチは、IPアドレスを見る(ネットワーク層)
- L4スイッチはポート番号、L7スイッチ・ゲートウェイはアプリケーションの中身まで見る
- 分ける範囲は「L2はコリジョンドメイン、L3はブロードキャストドメイン」
- ブリッジはコリジョンドメインを分ける。ルータはブロードキャストドメインを分ける
- VLANは、スイッチでブロードキャストドメインを論理的に分ける仕組み(VLAN=ブロードキャストドメイン=サブネット)
- ループの問題は「L2で起きて、STPで切る」
- L2スイッチをループ状につなぐと、ブロードキャストストームが起きる。STPで一部のポートをブロックして、ツリー構造にする
- ルーティングプロトコルは「数えるもの」で分ける
- RIPはホップ数(経由するルータの数)が最小の経路、OSPFはコスト(回線速度から計算)が最小の経路
- VLANの方式は「ポートで分けるか、タグで分けるか」
- ポートVLANは、ポートごとに固定(シンプルだが柔軟性が低い)
- タグVLANは、フレームにVLAN IDのタグを埋め込む(IEEE 802.1Q。1つのポートで複数のVLANを扱える)
接続装置の一覧(★)
| 層 | 装置 | 何を見て中継するか | 分ける範囲 |
|---|---|---|---|
| 物理層 | リピータ、マルチポートリピータ(ハブ) | 見ない(電流の増幅・整流だけ) | 分けない |
| データリンク層 | ブリッジ、スイッチングハブ(L2スイッチ) | 宛先MACアドレス | コリジョンドメイン |
| ネットワーク層 | ルータ、L3スイッチ | 宛先IPアドレス | ブロードキャストドメイン |
| トランスポート層 | L4スイッチ | IPアドレスに加えてTCP・UDPのポート番号 | − |
| トランスポート層〜アプリケーション層 | ゲートウェイ、L7スイッチ | アプリケーション層までの情報(プロトコル変換、データ形式の変換) | − |
物理層の接続:信号を元気にして伸ばす
- リピータ:
- ネットワーク上を流れる電流の増幅装置、あるいは整流装置
- 物理層で動く
- リピータが必要な理由:
- データ通信は、ネットワーク上を流れる電流の形で行われる
- ケーブルが長いと、電流が減衰したり、波形が乱れたりして、データが読み取れなくなる
- だから、一定の距離ごとにリピータを置いて、電流の増幅と整流をする
- 例えば、長い行列で、伝言が小さくなったら途中の人が大きな声で言い直す
- マルチポートリピータ(ハブ):
- リピータは1対1でつなぐもの
- 今は、複数のノードをつなげるマルチポートリピータ(ハブ)を使うのが一般的
データリンク層の接続:MACアドレスで行き先を選ぶ(★)
① ブリッジ
- ブリッジ:
- データリンク層にあり、宛先MACアドレスで通信を制御する装置
- 学習機能:
- 通信のたびに、あるMACアドレスを持つノードがどのポートにつながっているかを学習し、MACアドレステーブルに記録する
- MACアドレステーブル:
- 学習したMACアドレスとポートの対応を記録しておく表
- ノードの電源断や構成変更に対応するため、学習内容には生存期間が設定されている
- ブリッジの効果:
- 次に通信があったとき、必要なポートにだけ中継できる
- だから、無駄なトラフィックが出ず、ネットワーク利用率を下げられる
- コリジョンドメイン(コリジョンが検出できる範囲)を分割するので、正確にコリジョンを検出できる
- コリジョン:
- CSMA/CD(後述)での通信の衝突のこと
- ケーブル長やリピータの段数が制限を超えると、検出できなくなる
- だから、ブリッジでコリジョンドメインを分割する
- フィルタリング:
- ブリッジのポート1側にノードA・B、ポート2側にノードC・Dがある
- ポート1から来た宛先Aのフレームは、同じ側にいるので破棄する(ポート2には流さない)
ブリッジの動作(★)
- テーブルを見る:
- 宛先MACアドレスを基に、MACアドレステーブルを参照する
- 送るか捨てるか:
- 宛先の接続ポートが、フレームを受信したポートと別ポートなら、そのポートに送信する
- 同じポートなら、フレームを破棄する
- わからないときは全部に送る:
- 宛先MACアドレスが記憶されていない場合や、ブロードキャストアドレス(FF-FF-FF-FF-FF-FF)の場合は、受信ポート以外のすべてのポートに送信する(フラッディングともいう)
- ブリッジの例え:
- マンションの管理人。「Aさんは1号棟」と覚えていて、1号棟の中の郵便は2号棟に回さない。知らない人宛てなら、全部の棟に「どなたか知りませんか」と回す
② スイッチングハブ
- スイッチングハブ:
- レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)とも呼ばれる
- データリンク層にあり、ブリッジと同じ働きをする
- つまり、MACアドレスを認識してフレームの宛先を決めて通信する
- 試験での出方(試験):
- 「スイッチングハブは、フレームの蓄積機能、速度変換機能や交換機能を持っている。これと同等の機能を持ち、同じプロトコル階層で動作する装置はどれか」
- 答えは「ブリッジ」
③ ブロードキャストストームとSTP
- ブロードキャストストーム:
- ブリッジやスイッチングハブなどのLANスイッチは、ブロードキャストフレームを受信ポート以外のすべてのポートに転送する
- そのため、これらの機器をループ状につないで冗長化すると、信頼性は上がるが、ブロードキャストフレームが永遠に回り続けながら増殖する
- 最終的には、ネットワークダウンを招く。この現象のこと
- 例えば、伝言ゲームで、輪になった全員が「聞いた話を両隣に伝える」と、同じ話が延々と回って増え続け、誰も話せなくなる
- スパニングツリープロトコル(STP:Spanning Tree Protocol):
- ブロードキャストストームを防ぐプロトコル
- ループを作っている一部のポートを、通常運用時にはブロック(論理的に切断)する
- これで、ネットワーク全体を、ループを持たない論理的なツリー構造にする
- STPの動作:
- ブリッジ間で情報を交換し合い、スパニングツリーの根となるルートブリッジを選ぶ
- そのうえで、ブロックするポートを決め、ツリー構造のマップを作る
- RSTP:
- スパニングツリーの構築を高速化したプロトコル
- MSTP:
- VLAN環境での使用を考え、複数のVLANを1つにまとめた単位でスパニングツリーを作るプロトコル
ネットワーク層の接続:IPアドレスで経路を選ぶ(★)
① ルータ
- ルータ:
- ネットワーク層にあり、宛先IPアドレスを見て、パケットの送り先を決め、通信を制御する装置
- IPのローカルネットワークの境界線に置かれ、ネットワークの基本単位として働く
- ブロードキャストドメイン:
- ルータで分けられたネットワークの単位
- ブロードキャスト(全員宛ての通信)が届く範囲
- ルータの動作:
- パケットを受け取ったら、宛先IPアドレスを見る
- 自分のネットワーク宛てなら破棄し、他のネットワーク宛てなら転送する
- 経路制御(ルーティング):
- どのルータへ送れば、宛先のネットワークへの通信が速くできるかを判断すること
- 経路表(ルーティングテーブル):
- ルーティングのためにルータが持っている表
- 「宛先ネットワーク」と「転送先のルータ(ネクストホップ)」の対応が書かれている
- 例えば、「会社Bのネットワーク宛ては、ルータBに転送」のように書かれている
- デフォルトゲートウェイ:
- 会社AのPCは、会社BのPCと直接は通信できないので、他ネットワークへの接点であるルータAに転送を頼む
- このように、PCから見て直近のルータのこと
- 自分と直接つながっていない相手と通信するときは、すべてデフォルトゲートウェイを中継する
- 例えば、会社の外に郵便を出すときは、必ず社内の「郵便室」に持っていく
- ブロードバンドルータ:
- 家庭向けの安価なルータの総称
- ADSLや光ファイバの普及にともなって名付けられた
② ルーティングとルーティングプロトコル
| 方法 | 経路表の作り方 |
|---|---|
| スタティックルーティング | 手作業で経路表を作る |
| ダイナミックルーティング | ルーティングプロトコルを使って、ルータどうしが経路情報を交換し、自律的に経路表を作る |
- ルーティングプロトコルの分類:
- IGP(Interior Gateway Protocol)は、自律システムの中をルーティングする
- EGP(Exterior Gateway Protocol)は、自律システムどうしのルーティングをする
- 試験対策としては、IGPの代表のRIPとOSPFを押さえておけばよい
- 自律システム:
- 同じ方針(運用ポリシー)に従って管理できる範囲
- 例えば、1つのプロバイダや1つの大企業のネットワーク
代表的なダイナミックルーティングプロトコル(★)
| RIP | OSPF | |
|---|---|---|
| 正式名 | Routing Information Protocol | Open Shortest Path First |
| 型 | ディスタンスベクタ型(距離ベクトル型) | リンクステート型(リンク状態型) |
| 経路選択の基準 | 宛先までに経由するルータの数(ホップ数)が最小の経路 | コストが最小の経路 |
| 特徴 | 経路情報を一定時間(デフォルト30秒)間隔で交換する。宛先に届く最大ホップ数は15で、これを超える経路は採用しない | コスト値は回線速度から自動で計算される(手動設定も可能) |
| IPv6版 | RIPng(RIP next generation) | OSPFv3でIPv6用に拡張 |
- OSPFのコスト=
- 100Mbps ÷ 経路の通信帯域(bps)
- 経路選択の例:
- ルータPから宛先のネットワークまで、①ルータQを経由する経路(1Mbpsの回線、コスト100)と、②ルータR → ルータSを経由する経路(100MbpsのLAN、コストは1区間1で合計3)がある
- RIPは、ホップ数の少ない経路を選ぶので、ルータQ経由を選ぶ(遅い回線でも、ルータの数が少ないほう)
- OSPFは、コストが最小の経路を選ぶので、ルータR経由を選ぶ(ルータの数は多くても、速い回線のほう)
- RIPとOSPFの例え:
- RIPは「乗り換え回数が少ない道」を選ぶ。途中が渋滞の細い道でも気にしない
- OSPFは「かかる時間が短い道」を選ぶ。乗り換えが多くても高速道路を使う
例題(OSPFのコスト)
- 問題:
- OSPFのコストを「100Mbps ÷ 通信帯域」で計算するとき、①100Mbps、②10Mbps、③64kbpsの回線のコストはいくつか
- 答え:
- ①100Mbps ÷ 100Mbps = 1
- ②100Mbps ÷ 10Mbps = 10
- ③100,000,000bps ÷ 64,000bps = 1,562.5
- 検算:
- 10 × 10Mbps = 100Mbps、1,562.5 × 64,000 = 100,000,000 で、元に戻る
- 覚え方:
- 回線が遅いほどコストが大きい(帯域で割るから)
③ ルータの冗長構成(VRRP)
- VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol):
- ルータを冗長構成にするときに使うプロトコル
- 同じLANにつながった複数のルータを、仮想的に1台のルータに見せて冗長構成にする
- VRRPグループ:
- 複数のルータで作るグループ
- グループごとに、仮想IPアドレスと仮想MACアドレスを割り当てる
- PCなどのノードは、この仮想ルータのIPアドレスに対して通信する
- マスタルータとバックアップルータ:
- 通常時は、グループのマスタルータが、仮想IPアドレスを持つ
- マスタルータに障害が起きると、他のバックアップルータがこれを引き継ぐ
- VRRPの例え:
- 会社の代表電話番号(仮想IPアドレス)。いつもはAさんが出るが、Aさんが休みならBさんが同じ番号で出る。かける側は誰が出ているか気にしなくてよい
④ レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)
- レイヤ3スイッチ(L3スイッチ):
- ルータと同じネットワーク層にある通信機器
- ルータとの違い:
- ルータは、ソフトウェアで転送処理をする
- L3スイッチは、専用ハードウェアで転送処理をする
- だから高速に処理でき、大容量のファイルを扱うファイルサーバへのアクセスなどに向いている
- 重点の違い:
- ルータは、フィルタリングなどの多機能性に重点を置いている
- L3スイッチは、通信の高速性に重点を置いている
トランスポート層以上の層の接続:中身まで見てつなぐ
- ゲートウェイ:
- トランスポート層〜アプリケーション層で、ネットワーク接続をする装置
- 第3層のネットワーク層まででエンドツーエンドの通信は完成するので、ゲートウェイは、第4層以上が異なるLANシステムどうしのプロトコル変換やデータ形式の変換をする
- 例えば、日本語しか話せない人と英語しか話せない人の間に立つ通訳
- ゲートウェイの仲間:
- ゲートウェイは、アプリケーションプロトコルの内容を解釈できる
- だから、アプリケーションヘッダに不正な情報が混ざっていないかなどを見つけられる
- ファイアウォールやプロキシサーバも、ゲートウェイの仲間
- L4スイッチ(レイヤ4スイッチ):
- トランスポート層で動く装置
- 定義としてはゲートウェイに入るが、機能的にはL2スイッチ、L3スイッチの延長にある装置ともいえる
- ルータやL3スイッチはIPアドレスで経路制御をするが、L4スイッチはTCPポート番号やUDPポート番号も、経路制御の判断に使える
- 例えば、Webの通信(80番)はこのサーバ、メール(25番)はあのサーバ、と振り分けられる
- L7スイッチ:
- アプリケーション層までの情報を使って、通信制御をする装置
- 例えば、URLを見て「画像の要求は画像サーバへ」と振り分ける
ネットワーク仮想化(SDN、NFV)
- SDN(Software-Defined Networking):
- ソフトウェアで柔軟なネットワークを作り上げるという考え方
- OpenFlow:
- SDNを実現する技術の1つ
- ネットワーク機器を制御するためのプロトコル
- OpenFlowを使ったSDNの仕組み:
- ネットワーク機器(L2スイッチやL3スイッチなど)が持つ転送機能と経路制御機能を、論理的に分離する
- コントローラというソフトウェアが、データ転送機能を持つネットワーク機器(OpenFlowスイッチ)を集中的に制御・管理する
- コントローラとスイッチの間の通信には、信頼性や安全性のため、TCPやTLSを使う
- SDNの例え:
- 各交差点の信号を、それぞれが勝手に動かすのではなく、交通管制センター(コントローラ)が一括で切り替える。信号機(スイッチ)は言われたとおりに光るだけ
- NFV(Network Functions Virtualization):
- SDNが機器の制御部分をソフトウェア化するのに対し、NFVはネットワーク専用機器ごと仮想化する考え方
- 対象は、スイッチ、ルータ、ファイアウォール、ロードバランサなど
- サーバ仮想化技術を応用し、専用機器の機能を、汎用サーバ上の仮想マシン(VM:virtual machine)で動くソフトウェアとして作る
- 例えば、専用の電卓・時計・カメラを持ち歩く代わりに、スマホ(汎用サーバ)のアプリで済ませる
VLAN:配線に関係なくグループ分けする(★)
① スイッチの機能(L3スイッチによるL2スイッチング)
- 通信機器の特徴:
- ネットワーク上の通信機器は、自分が処理する層以下の層のプロトコルを解釈できる
- だから、L3スイッチ(L3SW)は、L2レベルのスイッチングにも対応している
- 例:
- PC-A(10.0.0.11)がPC-B(10.0.0.12)に通信する。同じネットワーク(10.0.0.*)の中の通信
- PC-AからPC-Bへのパケットは、L3SWにも届く
- L3SWの判断:
- L3SWは、まず着信パケットの宛先MACアドレスを見る
- ルーティングが必要なパケットなら、デフォルトゲートウェイとして自分が指定されているので、宛先MACアドレスは必ず自分のMACアドレスになっているはず
- でも、この着信パケットの宛先MACアドレスはPC-BのMACアドレス
- だから、L3SWはこのパケットをL2レベルで廃棄し、L3レベルの処理には渡さない
- つまり、PC-AからPC-Bへの通信を、L3レベルでは解釈しない
② 論理的LANエリアの構築(VLAN)
- VLAN(Virtual LAN:仮想LAN):
- 物理的な接続形態に依存せず、ノードを任意に論理的なグループに分ける仕組み
- L2機能とL3機能の接続性を拡張したもの
- 複雑な形のネットワークを簡単に作ったり、サブネット構成の変更にも柔軟に対応したりできる
- VLANの特徴:
- ブロードキャストドメインの分割
- 各VLANは、ルータやL3SWで分けたネットワークと同じように働く
- だから、「VLAN=ブロードキャストドメイン=サブネット(論理ネットワーク)」と定義できる
- よくある問題:
- 本社と支社で、経理部と人事部が同じブロードキャストドメインに入っていると、互いの通信をキャプチャ(のぞき見)できる
- 同じ会社でも、部外秘の情報があるならよくない
- 経理部と人事部のネットワークを物理的に分離しても解決できるが、VLAN機能を持つL3SWを置けば、作業がもっと簡単になる
- VLANの例え:
- 大部屋のオフィスで、机の場所はそのままに、「経理部の連絡網」「人事部の連絡網」を分ける。席替え(配線の変更)をしなくても、話が混ざらない
③ VLAN ID
- VLAN ID:
- VLANを識別する番号
- VLAN機能を持つL3SWは、ポートの先にあるノードに、VLAN IDを設定できる
- 例:
- ポート1・2(経理部、10.0.0.11と0.12)はVLAN ID 1、ポート3・4(人事部、10.0.0.13と0.14)はVLAN ID 2
- VLAN1の中の通信は、ポート3・4には転送しない。VLAN2の中の通信は、ポート1・2には転送しない
- VLAN IDの効果:
- IPアドレス体系を変えずに、ネットワークの分割・統合ができる
- ネットワークの運用に柔軟性が出る
- VIDのビット長:
- IEEE 802.1Qで決められたVLANのVID(VLAN ID)は、12ビット
- 2¹² = 4,096通り(0と4095は予約されているので、実際に使えるのは1〜4094)
④ ポートVLANとタグVLAN
| 方式 | やり方 | 長所・短所 |
|---|---|---|
| ポートVLAN(スタティックVLAN) | スイッチのポートごとにVLANを割り当てる。ポートとVLANの対応は固定 | シンプルで使いやすい。でも、VLAN構成が物理的な結線に依存するので、柔軟性に劣る |
| タグVLAN | VLAN IDを含むタグ情報をMACフレームに埋め込み、フレーム単位でVLANを区別する。仕様はIEEE 802.1Q | VLANが論理的に作られるので、1つのポートが複数のVLANに参加したり、結線を変えずに参加するVLANを変えたりできる |
- ポートVLANの例:
- ポート1〜3はVLAN1、ポート4〜6はVLAN2、と固定で決める
- タグVLANの例:
- SW1とSW2がトランクポートでつながっている。SW1にPC-A(VLAN1)とPC-B(VLAN2)、SW2にPC-C(VLAN1)とPC-D(VLAN2)がある
- PC-Aがブロードキャストフレームを送ると、SW1はVLAN1というタグを付けてSW2へ転送する(異なるVLANのPC-Bには転送しない)
- SW2は、受け取ったフレームのタグを見て、PC-Cにだけ転送する
- トランクポート:
- 複数のVLANに属し、複数のVLANのフレームを転送できるポート
- フレームにタグを付ける
- アクセスポート:
- PCなどがつながる、1つのVLANに属するポート
- タグVLANの例え:
- 1本の廊下(トランクポート)を、いろいろな部署の荷物が通る。荷物に「営業部」「開発部」の荷札(タグ)を付けておけば、受け取った側で仕分けられる
- 認証VLAN:
- 認証機能を組み合わせたVLAN
- ユーザは、MACアドレスやIPアドレス、ID・パスワードによる認証、あるいはIEEE 802.1Xなどの認証を受けた後、所属すべきVLANが割り当てられる
- 例えば、教員用、学生用といったVLANを作れる
⑤ 遠隔地LANの結合
- 遠隔地LANの結合:
- 上の例で、本社経理部と支社経理部、本社人事部と支社人事部が、それぞれ同じネットワークになると便利
- そこで、本社経理部と支社経理部、本社人事部と支社人事部に、同じVLAN IDを与えてVLANを作る
- これらはネットワークアドレスが違うが、VLAN IDはIPアドレスに対して透過的なので問題ない
- こうして、遠隔地のネットワークを同じLANグループとして管理できる
混同しやすいペア
- リピータ / ブリッジ
- リピータは、物理層。電流を増幅・整流するだけで、宛先は見ない
- ブリッジは、データリンク層。宛先MACアドレスで中継するかを決める
- ブリッジ / ルータ
- ブリッジは、データリンク層。MACアドレスで中継し、コリジョンドメインを分ける
- ルータは、ネットワーク層。IPアドレスで経路を選び、ブロードキャストドメインを分ける
- ブリッジ / スイッチングハブ(L2スイッチ)
- どちらも、データリンク層で同じ働きをする(MACアドレスで中継)
- コリジョンドメイン / ブロードキャストドメイン
- コリジョンドメインは、コリジョン(衝突)が検出できる範囲。ブリッジで分ける
- ブロードキャストドメインは、ブロードキャストが届く範囲。ルータやVLANで分ける
- ブロードキャストストーム / STP
- ブロードキャストストームは、ループ構成でブロードキャストフレームが回り続けて増殖する現象
- STPは、一部のポートをブロックして、ループのないツリー構造にするプロトコル
- STP / RSTP / MSTP
- STPは、基本のスパニングツリープロトコル
- RSTPは、ツリーの構築を高速化したもの
- MSTPは、複数のVLANをまとめた単位でツリーを作るもの
- スタティックルーティング / ダイナミックルーティング
- スタティックルーティングは、手作業で経路表を作る
- ダイナミックルーティングは、ルーティングプロトコルで自律的に経路表を作る
- IGP / EGP
- IGPは、自律システムの中のルーティング(RIP、OSPF)
- EGPは、自律システムどうしのルーティング
- RIP / OSPF
- RIPは、ディスタンスベクタ型。ホップ数が最小の経路。最大ホップ数は15。30秒ごとに交換
- OSPFは、リンクステート型。コスト(100Mbps ÷ 帯域)が最小の経路
- RIPng / OSPFv3
- RIPngは、RIPのIPv6版
- OSPFv3は、OSPFをIPv6用に拡張したもの
- デフォルトゲートウェイ / ネクストホップ
- デフォルトゲートウェイは、PCから見て直近のルータ。外への通信はすべてここを通る
- ネクストホップは、経路表に書かれた、次の転送先のルータ
- マスタルータ / バックアップルータ(VRRP)
- マスタルータは、通常時に仮想IPアドレスを持つ
- バックアップルータは、マスタルータの障害時に仮想IPアドレスを引き継ぐ
- ルータ / L3スイッチ
- ルータは、ソフトウェアで転送する。多機能性(フィルタリングなど)重視
- L3スイッチは、専用ハードウェアで転送する。高速性重視
- L4スイッチ / L7スイッチ
- L4スイッチは、IPアドレスに加えて、TCP・UDPのポート番号も見る
- L7スイッチは、アプリケーション層までの情報を見る
- ゲートウェイ / ルータ
- ゲートウェイは、トランスポート層以上。プロトコル変換やデータ形式の変換をする
- ルータは、ネットワーク層。IPアドレスで経路を選ぶ
- SDN / NFV
- SDNは、ネットワーク機器の制御部分をソフトウェア化し、コントローラで集中管理する(OpenFlow)
- NFVは、ネットワーク専用機器ごと、汎用サーバ上の仮想マシンで動くソフトウェアにする
- コントローラ / OpenFlowスイッチ
- コントローラは、経路制御を担当し、スイッチを集中的に制御するソフトウェア
- OpenFlowスイッチは、データ転送機能を持つネットワーク機器
- ポートVLAN / タグVLAN
- ポートVLAN(スタティックVLAN)は、ポートごとに固定で割り当てる。シンプルだが柔軟性が低い
- タグVLANは、MACフレームにVLAN IDのタグを埋め込む(IEEE 802.1Q)。1つのポートで複数のVLANを扱える
- トランクポート / アクセスポート
- トランクポートは、複数のVLANに属し、タグを付けて複数のVLANのフレームを転送する
- アクセスポートは、PCなどがつながる、1つのVLANのポート
- VLAN / 認証VLAN
- VLANは、論理的にグループ分けする仕組み
- 認証VLANは、認証を受けた後に、所属するVLANが割り当てられる仕組み